粉体塗装のご紹介メインコンテンツ
粉体塗装のご紹介
粉体塗装のご紹介のメインコンテンツ
粉体塗装とは
粉体塗装(パウダーコーティング)とは
粉体塗装(パウダーコーティング)とは、有機溶剤や水(蒸留水)などの溶媒を用いない100%固形分の粉末状(固体)の粉体塗料を使用して、主に静電粉体塗装法(吹き付け塗装)もしくは流動浸漬塗装法(浸漬塗装)の2方法にて行われる工業塗装法です。被塗装物の素材は金属類が主体であり、工業塗装方法として多用途に利用されています。
粉体塗装の特徴
高級外車に認められた塗装品質
粉体塗装(パウダーコーティング)は、環境規制の強かったヨーロッパでは、古くから採用されている塗装方法で、その塗装品質から、1990年代、粉体塗装の本場ドイツでは、高級外車であるBMWとベンツの粉体塗装ラインが稼動されてきました。高級外車の美しいボディを表現するために、粉体塗装(パウダーコーティング)はなくてはならない存在なのです。
粉体塗装の課題
現在、粉体塗装設備の色替え対策、粉体塗料の少量多色供給、アルミニウム建材の粉体塗装化、木質、プラスチックなど熱に弱い機材への粉体塗装化など未解決の課題があるものが現状です。
今後、粉体塗装機器メーカーや粉体塗料メーカーの技術進歩により、粉体塗装の課題が改善されていくことが望まれます。
粉体塗装のメリット
粉体塗装がなぜ良いのか?
1. 高品質・高機能・耐久性UPを実現
◎高性能な塗膜
粉体塗装(パウダーコーティング)による完成塗膜は、塗料に使用される高分子樹脂の特性により高膜厚で優れた塗膜強度、耐化学薬品性、耐食性、耐候性を保持しています。粉体塗料は1回の塗装で30~150ミクロンの膜厚が自由に得られます。また予熱方法を採れば高厚膜の塗装が可能となります。微粒タイプの粉体塗料の開発により外観が著しく向上し、家電製品、電気機器、自動車部品、金属家電などと用途は広範囲にわたります。
◎優れた防錆能力
粉体塗装(パウダーコーティング)は、その優れた防錆能力が評価され、道路のガードレールや水道資材、建設資材、街灯ポールなどの過酷な条件下に用いられています。
◎耐久性UP
粉体塗装(パウダーコーティング)は、高品質で塗膜強度もあり、防錆能力に優れているため、製品の老朽化防止に役立ちます。
2. 環境にやさしい抵公害性の塗装方法
最も環境に優しい塗装方法
粉体塗装で使用する塗料は、有機溶剤を含まないため、大気中へのVOC(揮発性有機化合物)放出はあっても、無視出来るほどの非常に少ない量です。したがって、溶剤揮発が原因となる公害問題の発生が少なく、有機溶剤による中毒、火災の危険も少なくなります。
塗料のリサイクルで、環境負荷低減
粉体塗装(パウダーコーティング)は塗料を回収し、リサイクルできるために廃棄塗料の量が低減されることで環境負荷を大きく減らすことが出来ます。また、現在では廃粉体塗料の再利用の研究も進み、さらに環境に優しい塗装方法として広く認識されています。
3. 省資源化の実現
塗料のロスを減らし、コスト削減
粉体塗装(パウダーコーティング)で使用される塗料は、塗膜性能、環境対応、塗装作業性、安全性などは、溶剤塗装で使用される塗料より優れており回収再利用(リサイクル)が可能です。粉体塗装(パウダーコーティング)は有機溶剤を全く使用しないことで、オーバースプレーされた塗料の回収再利用(リサイクル)が可能となるため塗料のロスが激減します。
塗装方法と使用される粉体塗料
塗装方法1 静電粉体塗装法
静電粉体塗装法について
粉体塗装主流の塗装方法
静電粉体塗装法とは、スプレーガンで塗料に帯電させ、アースの取れた被塗物に静電気を使って塗布する方法です。塗布の後、焼付け乾燥炉で加熱することにより、塗膜を形成させる塗装方法です。流動浸漬法では膜厚の管理を行うのは困難ですが、静電スプレー法では50ミクロン程度の薄膜で塗膜を管理する事が容易です。今日のパウダーコーティングの主流は熱硬化性塗料を使用した静電スプレー法です。
用途に応じた塗料の選択が可能
静電スプレー法で使用される熱硬化性塗料は、熱を加える事により化学変化(架橋)を起こし、特性が変化する塗料です。架橋反応により各種の性能を付加させる事が可能なため、用途に応じた塗料を選択する事ができます。使用されるベース樹脂は、外装用としてポリエステル樹脂、アクリル樹脂、又、内装用としてエポキシ樹脂、ハイブリッド(エポキシ/ポリエステル)樹脂が一般的です。
静電粉体塗装法の塗装工程
提供: 日本パウダーコーティング協同組合
塗料の種類
静電粉体塗装用の粉体塗料
塗料 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
エポキシ | 一次物性、塗膜硬度、耐水性、耐食(防食)性、耐熱性、電気絶縁性、塗装作業性に優れている。 使用目的の中心が防食性を中心として耐久性にあることから厚塗りを要求されることが多い。 |
屋内、防食用 家電製品、自動車部品、計器、水道関連資材、鋼構造物、電気部品、重電機器、重防蝕資材など多分野 |
エポキシ- ポリエステル |
ハイブリッド型。 塗膜外観、薄膜性、一次物性、耐熱性、補修塗装性、経済性に優れている。 塗膜硬度、耐薬品性などはエポキシに劣るが、耐食性、耐候性、塗装作業性は、エポキシと同等の性能を持つ。 薄膜仕上げのケースが多い。 |
屋内、防食用 家庭用品、事務機、自動車部品、電気部品、各種金具など屋内製品全般 |
ポリエステル | 外観、一次物性、耐薬品性、耐食性、耐候性、塗膜硬度に優れており、各種粉体塗料の中で、性能上大きな欠点を持たないバランスのとれた塗料。 |
一般、屋内、屋外用 家電製品、建材、外柵、建設機械、農機具、自動車部品、道路資材、屋外ポール、鋼製家具、重電機器、家庭用品など |
アクリル | 耐候性、塗膜硬度、塗膜の鮮映性、耐汚染性に優れている。反面、物性、耐食性、焼付け時の臭気、経済性の面でやや難がある。さらに塗装作業時における多種粉体塗料とのわずかな混合により、相手粉体塗料の塗膜ハジキ、発泡など異常を発生させてしまう大きな欠点を有している。 |
屋外美飾用(耐候性重視) 建材、道路資材、家電製品、自動車部品、アルミ製外柵、アルミホイールなど |
アクリル- ポリエステル |
ハイブリッド型。 ポリエステルの特長とアクリルの特長を生かした、中間型粉体塗料として市場導入されている。 揮発分の低減、臭気の軽減、塗装作業性に優れている。 |
屋外美飾用 家電製品、厨房製品、建材、道路資材など |
フッ素 | 超高耐候性、耐光性、耐薬品性に極めて強い性質を持っているため、近年特に建築外装用塗料として、超高層から中高層建築の外装に広く採用されている。 |
高耐候性用 建築外装、家電製品、厨房製品、建材など |
塗装方法2 流動浸漬塗装法
流動浸漬塗装法について
厚膜塗装に適した塗装方法
流動浸漬塗装法は塗料容器の底の部分に多孔板を配置し、多孔板から圧縮空気を送る事により塗料を流動させ、流動している塗料の中に予熱した被塗物を浸漬する方法です。流動層の中の塗料は熱により被塗物に融着し厚膜の塗膜を形成します。流動浸漬塗装法では通常200~500ミクロンの膜厚が付くため、耐食目的の塗装に使用されるケースが多くあります。
流動浸漬塗装法に使用される熱可塑性粉体塗料は主に塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン等の樹脂が使用されています。
熱可塑性粉体塗料は熱による化学変化を伴わないため、再び熱を加えると軟化及び形状の変化が繰り返されます。一部の工程では、後加熱を行う場合もありますが、これは平滑性を向上するためで、熱硬化性塗料の様な焼付け工程ではありません。
流動浸漬塗装法の塗装工程
提供: 日本パウダーコーティング協同組合
塗料の種類
流動浸漬塗装用の粉体塗料
塗料 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
ポリエチレン | 流動浸漬塗装における樹脂材料の主流。 低密度ポリエチレンは、比較的安価であり、溶融加工性に優れている。 変性ポリエチレンは、密着性、耐候性などに優れている。 発泡性ポリエチレンは、遮音性、防振性、断熱性などに優れている。 |
屋内・屋外用
◎低密度ポリエチレン ◎変性ポリエチレン ◎発泡性ポリエチレン |
ポリアミド |
市販されているものには、ナイロン11、ナイロン12の2種類がある。 耐磨耗、耐油性、耐衝撃性、耐熱性に優れている。 プライマーの使用により密着性塗膜が得られる。 薄膜仕上げのケースが多い。 |
屋内・屋外用 スプラインシャフト、ローラー、バルブ、パイプ、食品機械、医療機器など |
変性EVA | 塗膜は、金属材料に対する密着性に優れている。また溶融加工性に優れている。 |
屋外用 建築用構造物、フェンス、バルブ継手、給水用鋼管など |
熱可塑性 ポリエステル |
美粧性、耐候性に優れ、密着性を有している。 表面光沢があり、汚れにくいためインテリア、エクステリア関係に期待されている。 |
屋内・屋外用 屋外部品、バルブ、フランジなど |
再生PET | 使用済みPETボトルから再生したPET樹脂を原料とした流動浸漬塗装用粉体塗料で、廃PETボトルのリサイクル促進が可能。 耐酸性、耐食性、耐絶縁性に優れている。 |
屋外用 土木建築資材、電気通信機器資材、道路資材など |
フッ素樹脂 |
高度の耐熱性、耐候性、非粘着性、低摩擦性、電気特性に優れている。 融点が高いため流動浸漬塗装用として使用されるのは、PVdF、BTFE、FEPなどである。 |
屋外用 耐蝕ライニング、工業部品など |
エポキシ樹脂 |
密着性、耐熱性、電気絶縁性に優れている。 熱硬化性樹脂粉末は、静電粉体塗装用に多く使用されているが、エポキシ樹脂は、流動浸漬塗装用として市販されている唯一の粉末である。 |
屋内・屋外用 電気関係のハウジング、ブスバーなどの電気部品、鋼管継手、鋳物などのコーティング |
塗装製品の紹介
粉体塗装で塗装される製品の紹介
粉体塗装は、膜厚で優れた塗膜強度、耐化学薬品性、耐食性、耐候性を保持しているため、様々な製品に施されています。
※このページに掲載している製品は、全てが当社で実際に塗装した物ではございません。