剥離が起きにくい塗装への転換
食品製造機械
お困りごとの経緯
食品製造機械の困りごと
食品機械メーカーは塗装の剥離防止に悩んでいた!
食品を製造するメーカーでは、人間が口にする食べ物を製造しているため、設備の塗装の剥がれを気にしていた。
また塗料が引き起こす人体への影響も考え、安全性の高い製造設備を求めていた。
<従来の塗装方法>
従来の塗装では、前処理が脱脂のみ、塗料は溶剤であった。この場合塗料の密着性は悪く、食品を製造中に装置の塗装が剥がれるのが必然であった。
しかし従来は各部品が外作であったり、知識不足が原因で、前処理に化成処理を導入していなかった。
以前の食品製造機械の写真
- 前処理:
- 脱脂のみ
- 塗料:
- 溶剤塗料
- 乾燥:
- 焼付け
求めていたこと
塗料の密着性を考慮した、前処理と塗料の選定が求められていた!
当社からの解決提案と結果
食品製造機械における解決提案と結果
リン酸皮膜処理の追加と塗料の変更で剥離が大幅減!
- 被塗物と塗料の密着性を向上し剥離を防止するために、前処理としてリン酸皮膜処理を提案しました。
また食品製造機械ということで、人体への安全性を高めるために粉体塗料を提案しました。
- 前処理を付加することで、被塗物である金属と塗料の密着性が向上し、塗膜の剥離は少なくなりました。剥離を減少させることが出来、機械の寿命も延びるという効果もありました。
提案後の食品製造機械の写真
- 前処理:
- リン酸亜鉛皮膜処理
- 塗料:
- 粉体塗料
- 乾燥:
- 焼付け
解決提案と結果のポイント
化成処理によるメリット
化成処理によるメリットは、大きく2つあります。
1つは、塗膜と金属表面の密着性を向上させることです。化成処理により化学的に形成された皮膜が金属表面と塗料の仲立ちをすることによって、塗膜が金属表面から剥離するのを防ぐことができます。
そして、2つ目は、金属素材の保護です。金属表面を皮膜により、覆うことで金属表面を錆から守ります。塗装を施しても、塗装の損傷、剥離等により、水分、薬剤等が入ってしまう可能性があります。そうした際に、化成処理を行っておくことで、素材を守ることができます。